斉藤英治氏 『王様の速読術ー1冊30分でも必要な知識は吸収できる』の感想・レビュー
斉藤英治氏の『王様の速読術ー1冊30分でも必要な情報は吸収できる』を読みました。
本を今よりも早く、たくさん読みたい。そんな時に手にしたのが本書です。正直言って速読は難しそうだし、ちょっとという気持ちで読み始めました。
本の詳細
タイトル
王様の速読術ー1冊30分でも必要な知識は吸収できる
著者
斉藤英治氏
出版社
初版発行日
2006年5月11日
ページ数
220ページ
定価
1429円+税
古本価格(Amazone、楽天 発送料無料)
328円〜351円(R3.8.22 現在)
著者について(斉藤英治氏)
1940年、山形市生まれ。東北大学卒業。医学博士。健康英知研究所所長。日本綜合医学会常任理事を兼任。こころとからだの健康向上と脳力開発の研究をライフワークとし、こころを豊かにする読書法や能率学を研究、教育にも力を入れている。
(本書より抜粋)
読んで欲しい人
・本を早く読みたい人
・本を読むことに途中で挫折しがちな人
・今までなんとなく本を読んでしまっている人
本書を読んで学べること
・本を読む意義について考えられる
・本の読み方の一助となる
・本の種類による、読み方がわかる
・読んだ後のアウトプットの重要性がわかる
目次
第1章 ワシには30分しかないのじゃ!
第2章 30分で一冊を読破ー王様の速読術
第3章 目的別に速読術を使いこなす術
第4章 錬金術でアウトプットしよう
第5章 大王様への道
内容
本書は明るい国の王様と、隣国の暗い国のクラゾーとの会話を中心に展開されます。明るい国の王様が筆者、いつも「本を読む時間がない」と本書にすがった読者という図式かなと思います。
本を読むことが目的ではない、ということ。
読書は情報を得て、それを知識として身につけることが目的なのじゃ。
本を読むこととは、いったいなんなのでしょうか?小学校から一字一句しっかりと読む訓練を行っています。読書は一字一句読むこととが目的ではなく、知識を身につけることが目的です。
主体は自分。本の家来から脱出すべし。
初めての謁見は平等主義でもいいのじゃよ。
その代わり、1冊につき30分とする。
その間に本の持つ情報、知識の重要さを見抜くのじゃ。
本を売るために、出版社や書店が様々なうたい文句を本につけています。主体性がない人はその言葉だけに振り回されて本を選び、長時間付き合ってしまいます。それにより貴重の時間が失われてしまいます。とりあえずは一冊30分と時間を決めて読むこと。30分で読むためにも自分がその本を読む目的を理解し、主体的に読むことが重要です。
王様の速読術では、30分の速読時間を三段階に分けて考える。
第一段階では、プレビューを5分間行う。
第二段階では、5分間で全ページを写真読みしていく。
第三段階では、残り20分を使ってスキミング法で読んでいく。
これで合計たった30分で、一冊読むのである。
王様の速読術では三段階に分けて速読術を考えています。また各段階における細かい方法も分かりやすく解説されています。
「とにかく速く本を読む」ことは目指していない。
「短時間に必要な情報を獲得すること」を目指している。
上記のことを念頭に置いた上で本を読む目的ごとの速読術の使い方も解説されています。
感想
本を読む目的と、本の読み方について考えさせてくれる本。
私自身は速読術とは無縁。本を少しでも速く読めればいいなという安易な考えで本書を手にしました。
本書は速読術の本ではありますが、本を読む上での目的について多く書かれています。「本読むことは、目的ではない。読書は情報を得て、それを知識として身につけることが目的なのじゃ」。本を読むことで満足していた自分への戒めのような言葉に、ハッとさせられる思いになりました。
本を早く読みたい人だけではなく、本を読むことだけで満足している人にも読んで欲しい本です。