室井俊男氏『できる上司とダメ上司の習慣』の感想・レビュー
室井俊男氏著の『できる上司とダメ上司の習慣』を読みました。
本業において管理職を行なっていることもあり、仕事におけるマネージメントについて書かれている本は、比較的よく読んでいます。この本も、古本屋に並んでいるのを目にして手に取った本です。
本の詳細
題名
できる上司とダメ上司の習慣
著者
室井俊男
出版社
明日香出版社
初版発行
2013年2月14日
ページ数
237ページ
定価
1500円+税
古本価格(Amazone、楽天 送料無料)
474円〜599円(R3.8.18 現在)
おすすめの人
・部下とのコミュニケーションに悩んでいる人
・日頃から「部下が使えない」と感じている人
内容
できる上司とダメ上司を比較する形で50の習慣が描かれています。
第1章 スタンス・姿勢編
第2章 仕事のやり方編
第3章 目標達成編
第4章 チームマネージメント編
第5章 コミュニケーション編
第6章 部下育成編
第7章 部下のモチベーションコントロール編
感想
「部下が使えない」こんなことを少しでも思ったことがある人に読んでほしい本
本書では一貫して、できる上司とダメ上司の比較という形で構成されています。よって、今の自分がどちらに当てはまるのかがわかりやすくなっています。(実際に私は半分程度ダメ上司に該当しました。)
著者はできる上司を『周りに与える人』と定義しています。要するに部下に目標や使命感、元気、そして成長する機会、活躍する場などを与える人です。逆にダメ上司を『周りから奪う人』と定義しています。部下から元気ややる気、成長する機会を奪い、ゴールに向かう意欲すら失わせてしまう存在です。他にもできる上司とダメ上司の定義としては思い浮かぶものがありますが、上司と部下の関係にフォーカスすれば納得のいく定義だと思います。
私が本書を読んで一番考えさせられたのは第4章のチームマネージメント編にある『できる上司は部下に動かされ、ダメ上司は部下を動かす』という項目です。この中で著者は『自分の雑務ばかりを指事する上司(部下を動かす上司)の元では部下は育たず、結局上司の力量以上には業績を伸ばすことははできません』と述べています。また『上司が常日頃、指示ばかりして部下の考える習慣を奪っていないかを振り返る必要がある』とも述べています。私自身少ないながら部下を2人抱えて仕事を行なっています。日頃の業務のかなでどうするのかをいっしょに考える機会が少なく、どちらかというと指示を出す機会の方が多くなってしまっています。本章を読み、結論ばかりを部下に言うのではなく、共に考える習慣をつける必要性、共に議論できるシステムの構築が必要だと考えました。
本書では50の項目について筆者の実体験を中心に描かれていることにより、大変共感しやすく、読み手の日頃の習慣とリンクしやすくなっていると感じました。著者は本書の中で『上司の「部下が使えない」という言葉は、それはとりもなおさず「私は部下を育てていない」と言っているのと同じと心得るべき』と述べています。「部下が使えない」とよく言っているなと感じた方は是非とも本書を手に取っていただきたいと思います。